一方通行

「なかなか気持ちを外に出さないひとだから。」


ある人が私のことをそう表現していた。
善意の言い方で。私は素直で明るい彼女が好きだ。
そう、この年になっても、いや、この年になったからか?
感情を露わにするのにたくさんのブレーキがかかってて、
いつも基本的にあんまり目立ちたくない。
人見知りとは違うのだけれど、本音をぶつけるのは
ごくごく限られた人だけだ。
わざわざ主張しなくてもいいかと思う。
だからネットでみた変わった人に怒る気持ちがあまり理解できない。
わざわざ疲れることはしたくない。冷めているのかもしれない。


「自分の中で解決しようとする。」


それも当たっているな。なんだろう、相手の気持ちなんて聞いてみないと分からないのに
勝手に解釈して思い込んでいる。
お茶に誘ってくれたりすると嬉しいのに、同時に面倒くさい気持ちがでてくる。
グループラインも。早く終わってくれたらいいのになと思う。
こんな自分を時々でも気にかけてくれる人が世界に何人かいてくれることは
ありがたい。
たぶん、とくに恋愛だと、仕事とは違って多少おかしなことをいっても大目にみて
もらえるから気が楽だったのだ。
そして、単純に寂しいのかもしれない。


「世の中の人がみんな良いひとだと思っているの?」


職場で孤立して辞めていった人からの言葉。
彼女は今、インスタグラムで沢山友達を作って、そんな現実をネット上では一切語らない。私は、酷いいじめに合ったことがない。人間関係のトラブルは、反論せず、逃げてばかりだった。
打たれ強くも弱くもなってないし、学生時代の友達とは年賀状くらいの付き合いだ。
不安障害で飛行機に乗れなくなったり、就職活動がうまくいかなかった。
そういう大変なことも含めて、自分の人生を外側から対処してきた。


夫のこと。恋愛をして、好きだったはずなのに、尊敬とか、憧れがないと気が付く。
情でつながっていると、安らぎとして良しと思いたいのに、そんな風にまだ割り切れない。
彼は転職して変わってしまった。(もちろん私も変わった。)