変わっていく

しばらくぶりに書きます。


先日、彼から自宅に電話がかかってきました。
ずっと介護していた親御さんが危篤であるとのこと。
そして次に会う約束をキャンセルさせてほしいとのこと。
落ち着いたらまた連絡するから。
心の中は動揺しているのに、つとめて冷静に、早口で話す声。
以前から状態があまりよくない事はきいていた。おそらく
この時が来ると。


私は、うん、わかりました、しっかりね。と言った。
彼は、ありがとう、またね、と言い、受話器を置いた。
その数日後に、訃報を知る。


当分の間、会うことはないだろう。
せめてお線香をあげにお伺いできたら、と思うけれど
それは出来ないし、してはいけない。
だから、せめて出来ること、心の中で手を合わせている。


今月から、将来に向けての勉強をはじめることにした。
彼に会わなくなったおかげで、夫とも向き合う時間ができた。


二人の男を同時に愛することは、結局どちらのことも愛していないと
いうことです、と本に書いてあった。
実際、そうなんだろうか、そうなのかもしれない。
自分がされて嫌なことは、人にしてはいけない、って基本だよね。
彼のことを忘れて、夫のことだけ考えればいいって
頭では十分わかっているのに。

とげ

夫から今朝
多少傷つく言葉を言われた。


それは、仕事をしていないことに関しての言葉。


たぶん、同じ立場にたってみないと
分からないこともあるのだろう。


私だって、もしも自分だけが仕事をしていて
夫が家にいたら、同じような言葉をかけたかもしれない。


ただ、
夫は少なくとも、去年までのように
忙しくフルで働く私の方が好ましく思っていたのだなって。


経済的にはもちろんそのほうがいいに決まっている。


(これまでの自分の貯金があるので、当分の間
実際に迷惑をかけているわけではない)


だけど、○○で働く自慢の妻 ではなくなった
今の私。

すれちがい

外は雨、
テレビでは教員いじめのニュース。
静かに過ぎていく時間。


先週、彼が約束の日時を過ぎても現れなかった。
お昼どきのレストランは満席で、空席を困り顔で探す人たちがたくさん。
食事を早めに切り上げ、お店の外でしばらく待ってみたけれど、それでも来ない。
諦めて帰ることにした。


携帯、スマホで連絡がすぐとれるこのご時世に、私たちは手段を持たない。
すれちがいが生じている。
次回はいつ会えるのか、わからない。
このままフェードアウトしたほうが、楽に決まっている。
せめて、携帯くらい持ってよ!って怒るところなのかもしれない。
だけど、人間は、大昔からずっと携帯電話がなくても恋愛しているでしょう?


「これでバイバイにはしない。またね、だからね。」


前回、念を押してくれていた言葉を思い出す。
会いたいな。